注文住宅

天井を板張りにして後悔する6つの理由と注意したいポイント

2024.3.5

「天井の板張は後悔する?」
「天井の板張りにするとどのようなデメリットがある?」
という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

本記事では、上記の疑問の解決に役立つ内容を

  • 天井を板張りにすると後悔する6つの理由
  • 天井を板張りにして後悔しないために注意したいポイント

の順番に解説していきます。

これから家を建てる際に、天井を板張りにすることを検討している人や天井をどのような素材にしようか検討している人には役に立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

天井を板張りにすると後悔する6つの理由

天井の板張りとは、その名の通り、天井に木材を施すことです。

天井を板張りにすることで、部屋に高級感や重厚感を与えてくれたり、リラックス効果を与えてくれたりとさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。

ここでは、天井を板張りにして後悔する理由やデメリットを、板張りにした部屋の感じ方・施工費用・素材・仕上がり・お手入れの面から6つご紹介します。

暗くて圧迫感がある

温かい印象を抱きやすい板張りの天井ですが、板張りに使用する木材の種類や色によっては、部屋に圧迫感を与えてしまう可能性があります。

部屋に圧迫感があると、実際の部屋の大きさよりも部屋が小さく見えてしまったり、部屋にいてもリラックスできなかったりする場合があります。

特に、ダーク系の色の木材を板張りに用いると、部屋に高級感や重厚感を出すことができる一方で、明るい色の天井に比べて圧迫感を与えやすいという特徴があります。

また、板張りの木材の色を暗めにしてしまうと、部屋の印象も暗い印象になりやすいです。

そのため、暗い色の木材を板張りに利用する際は、照明の数を増やしたり、明度を調節できる照明を設置したりする必要があるでしょう。

天井を板張りにしたいかつ部屋を開放的な印象にしたい人は、板張りにする木材の素材や色を慎重に検討する必要があります。

施工費用がクロスよりも高額になる

施工費用がクロスよりも高額になる点も天井を板張りにして後悔する理由の一つとして挙げられます。

天井用クロスには、塩化ビニール樹脂のビニールクロス、麻のファブリッククロス、珪藻土や漆喰の無機質系クロス、パルプやポリエステルのフリース壁紙などがあります。

これらは、人工的な素材や加工しやすい素材を使用しています。

一方で、天井の板張りは、天然木材を使用し、加工に高い技術を必要とするため、上記のような人工的な素材や加工しやすい素材に比べて費用が高額になりやすいです。

そのため、天井を板張りにすることを検討している人は、デザインと値段のバランスを確認し、慎重に決めると良いでしょう。

材料によってヒビ割れや反りのリスクがある

天井の板張りは、天然の木材を用いるため、形や木目がさまざまであり、年月や気候によって伸び縮みしたりして、ヒビ割れや反りが発生する可能性があります。

板張は、天然木を使用しているため、調湿効果があり、快適な空間作りに役立つ一方で、過度な乾燥や湿気によっては、木材がその調湿能力を超えてしまい、劣化してしまう場合もあります。

例えば、丸太からそのまま切り出して作った無垢材を板張りの素材として用いると、木材の乾燥によってヒビ割れてしまったり、湿気によって木材が反ってしまったりする可能性もあります。

そのため、天井クロスに板張りを検討する際は、家を建てる地域の湿気・乾燥の度合いや木材の種類・木材の加工方法に注意する必要があります。

キッチンには耐火性能を満たす材料しか使えない

キッチンは、コンロなど火を使う場所であるため、木材は天井の素材として向いていません。

建築基準法の内装制限の項目では、火災の発生や延焼に対する予防として壁や天井仕上げに使う材料の制限が行われています。

この法に基づくと、住宅のキッチンでは、火災時の加熱に対して10分間燃えない性能が継続する材料である準不燃材料以上に耐火性能を持つ材料を使用しなければいけません。

木材(特に何の加工も施していない無垢材)は、燃えやすいため、天井の板張りとしてキッチンで使うことが難しいです。

木材の加工方法や木材の種類によっては、使用可能なものもありますが、火事の際のリスクの確認や施工業者との間での内装制限に関する十分な確認が必要です。

また、どうしてもキッチンの天井を板張りにしたい場合は、ガスコンロではなくIHコンロを用いるなどして、キッチンで火を使わない、火事が起きないような工夫をすると良いでしょう。

仕上がりは工務店の技術力に左右される

木材の加工は、人工素材の加工に比べて難しく、工務店の技術力によって仕上がりに大きな差が出ます

そのため、工務店の技術によっては、板と板の間に隙間ができ、見栄えが悪くなることがあります。

天井の板張りは、他の人工素材で施工するのに比べて費用がかかるため、期待と異なる仕上がりになると不満が生じやすいです。

そのため、施工業者の選定には、過去の施工例や加工方法などを入念に調査することが重要です。

掃除をしにくい

掃除をしにくい点も天井の板張りのデメリットの一つであると考えられます。

人工素材などでできたクロスの場合は、ペーパーモップなどによってスムーズに掃除することができます。

一方、板張りでは木材が引っかかってしまい、モップが思うように滑らないために、簡単に掃除することが難しい場合があります。

また、木材を利用しているため雑巾のように水に濡らした布巾での掃除は木材の劣化を進めてしまうため、あまり向いていません。

さらに、木材の色によっては、汚れが目立ちやすくなってしまう場合もあります。

天井の板張りを検討する際は、その木材が掃除しやすいかどうかや、汚れが付着しにくいかどうか、汚れが目立ちにくい色や素材であるかどうかなどを検討する必要があります。

天井を板張りにして後悔しないために注意したいポイント

ここまで、天井を板張りにして後悔したポイントについて紹介しました。

天井の板張りは高級感があったり木材ならではの温かい印象を抱きやすかったりとたくさんのメリットもあるため、多くの方が板張りの天井を検討したいと考えています。

それでは、上記に示したような点で後悔をせずに天井の板張りの満足度を高めるためには、どのような点に気を付けたら良いのでしょうか。

ここでは6つの注意点をご紹介します。

デルハウスで明るさ・材料・仕上がりを確かめてみる

天井の板張りに後悔しないためには、モデルハウスで明るさ、材質、仕上がりなどを確認することが大切です。

モデルハウスでは、それぞれの施工会社がどのように施工するのか、どのような仕上がりになるのかを確認することができます。

そのため、モデルハウスに行った際には空間の明るさや、板材の材質、加工の精度を確認しておくと良いでしょう。

モデルルームでは、実際に光の入りやすさや部屋の明るさ・部屋の雰囲気を実際に確認することも可能です。

板張りの天井を検討されている方は、板張りの天井だけでなく、他の素材でできたモデルルームも観覧し、それぞれの天井による部屋の明るさや広さがどのように見えるかをチェックしておくと良いでしょう。

また、モデルルームでは、板張りに使う木材の種類を実際の部屋で見ることができます。

そのため、自分が理想とする部屋にはどのような色が似合うのか、使用したい場所に適した木材はどのような種類なのかに注目すると良いでしょう。

材料の木の色合いを確認する

天井を板張りにする際、後悔しないためには、材料である木の色合いを慎重に確認しましょう。

木材の色は、部屋の雰囲気や広がり感に直接影響を与えるため、事前に色合いを確認し、計画的に選択する必要があります。

特に、部屋を広く、開放的に見せたい場合は、明るい色の木材を選ぶことがポイントです。

明るい色の天井は、光をより多く反射し、部屋全体を明るく見せる効果がある一方で、暗い色の木材を選ぶと、その反射率が低くなり、結果として部屋に圧迫感を与えることがあります。

このため、特に小さな部屋や照明が限られている空間では、明るい色の木材の使用が特に効果的です。

また、部屋の全体的なデザインコンセプトや、配置する家具のスタイルと色味を考慮することも重要です。

例えば、モダンで洗練された雰囲気を目指す場合は、グレーや白っぽい色の木材が適しています。

一方で、温かみのある、伝統的な雰囲気を好む場合は、赤みがかったブラウンや深みのあるダークブラウンの木材が良いでしょう。

部屋に配置予定の家具やアクセサリーと天井の色が調和することで、一貫性のある美しい空間を創出できます。

さらに、天井の色合いを選ぶ際には、自然光や部屋の照明の種類と量も考慮に入れることが重要です。

自然光がたっぷりと入る部屋では、木材の色が異なって見えることがありますし、人工照明の下では、色合いがさらに変わる可能性があります。

したがって、実際の照明条件下での色合いを確認することで、期待通りの結果を得られるようになります。

このように、天井を板張りにする際には、木材の色合いを事前に確認し、部屋のサイズ、デザインコンセプト、照明条件、そして家具との調和を考慮して選ぶことが、後悔のない部屋づくりへの鍵となります。

天井が低い場所の施工は避ける

先述の通り、天井の板張りは部屋に圧迫感を持たせ、部屋を実際よりも狭く見せてしまう可能性があります。

そのため、あまり広さのない部屋や天井が低い場所に用いると、より狭く窮屈な部屋に見えてしまいかねません。

特にトイレなどの狭い空間では板張りは空間が窮屈に見えて向いていないと言えるでしょう。

反対に、天井が屋根に合わせて作られていて傾斜がある場合や天井の高さが高い場合、板張りの天井は、その傾斜や高さを強調し、より部屋を広く、高く見せることができます。

板張りの天井とその他の素材を使い分ける

住宅内の全ての天井を板張りにするのではなく、他の素材と使い分けることも満足度を上げるために対処できるポイントです。

キッチンなどに他の素材の天井を組み合わせることで、火災のリスクや延焼のリスクを抑えたり、トイレや脱衣所といった水場での木材の傷みを軽減したりすることができます。

また、板張り以外の素材を取り入れることで、板張りを使った部屋がアクセントとなり、お洒落で垢ぬけた印象を創り出すことができます。

それぞれの部屋の用途や理想とする雰囲気に合うような天井を検討することが、より良い住宅づくりのポイントと言えるでしょう。

複数社に見積もりをしてもらう

複数社に見積もりをしてもらうことも、天井を板張りにして後悔しないためのポイントです。

天井の板張りは、他の人工素材と比較すると費用が高くなる傾向にあります。

複数社に見積もりを依頼し、価格を比較することができれば、予算に合った選択をすることが可能です。

また、複数社を比較することで、材質や施工方法についての選択肢の幅を広げることができるでしょう。

先述した通り、モデルルームが用意されている場合があるため、実際の部屋の雰囲気や仕上がりを確認し、比較検討すると良いでしょう。

気候や経年劣化によるヒビ割れや反りが気になる人は、使用する木材の耐久性なども確認しておくと良いでしょう。

メンテナンスの可否を確認しておく

最後に、メンテナンスの可否を確認しておくことも後悔しないためのポイントの一つです。

先述した通り、木材によっては、ヒビ割れや反りのリスクがあります。

通常、天井の板張りは、1枚1枚の木材を張っているため、メンテナンスをする際は、必要な部分を張り替えるだけで済ませることができます。

これらのメンテナンスをスムーズに行うことができるか、メンテナンスの際には高額な費用がかからないかどうかを確認しておく必要があります。

また、日頃のメンテナンスをする場合は、ペーパーモップなどで埃などを払う必要がありますが、板張りの場合は人工素材と比較して、掃除がしにくいと言われています。

日頃のメンテナンスをスムーズに行うことができるかどうかについても確認しておくようにしましょう。

まとめ

今回は、天井を板張りにする7つのデメリットと、板張りにして後悔しないために注意したい6つのポイントをご紹介しました。

天井の板張りは、部屋に重厚感を持たせてくれたり、温もりを感じさせてくれたりとメリットが多く、施工の希望をされる方が多いです。

長年住むと考えられる家の満足感を高めるためには、今回ご紹介したようなデメリットや後悔しないポイントを考慮した上で検討することが重要です。

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